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油絵の具という素材。

April 25, 2017

 

 

4月20日(木)電車とバスを乗り継ぎ、埼玉の朝霞にある老舗メーカー。クサカベさんの絵の具工場に見学に行く。クサカベの油絵の具というと僕が、画学生のころは、発色がよく顔料(色のつぶ)の含有率が高いため高価で「こだわりの油絵の具」というイメージが強かった。

 

 

現在は、現代アートの世界でも水性のアクリル絵の具を使う人の方が圧倒的に多いが、僕は、未だ油絵の具信者だ。乾燥が遅く、扱いが多少面倒な油絵の具は、アクリル絵の具よりちょっと「偉い」などと思っている。

 

 クサカベというメーカーは、アクリル絵の具を作っていない。ガッシュという不透明水彩は製造しているが、乾くと耐水性のアクリル絵の具に対しガッシュは、バインダー(のり)がアラビアゴムという水溶性のため、僕は油絵の具の代替になるとは考えていない。つまり、ベツモノなのである。製造メーカーというものは絵の具に限らず、自社の哲学がある。クサカベには、絵の具メーカーのプライドを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

技法自体は、多様であるべきだと考えているので、僕は、アクリルもガッシュもオイルパステルも使う。作品を展示してよく思うのは、この作品がアクリルで描いたものか、油絵の具かは、ほとんどの人はわからないようだ。しかしながら技法と表現は、表裏一体で絵の具の物質感で、表現は随分と変わってくる。石の彫刻家が石と対話しながら制作するように、僕は絵の具に描かされる。絵の具のご機嫌うかがいをしているようだと感じることもあるくらい、その日の絵の具の表情を眺めるのが好きだ。前の晩、絵の具を塗り重ね、翌日アトリエで絵の具の状態を確かめるとき楽しみで仕方がない。寝ている間に、水なりテレピンなりが乾いて昨日とは違う表情を見せてくれるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

製造工程をじっくり説明してもらいながら、丁寧な仕事ぶりを見せてもらい感服する。日頃使っている絵の具が、このような人たちが大切に作っていると思うと駄作の多い僕は、なんだか申し訳ないような気持ちにすらなった。

 

 

最後に絵の具の手練り体験までさせてもらい充実の一日だった。

油絵の具は、堅牢でそれ自体が美しい。その美しさを生かすも殺すも画家の力量次第なのだがその背景には、このような職人さんや技術開発をしている方々の努力を垣間見ることができて何か力強い同志を得たような気持ちになった。

 

ちなみに油絵の具とアクリル絵の具の違いは、10年50年と時が経って経年劣化した時の表情が圧倒的に違う。じっくりと時間をかけて顔料と亜麻仁油を、なじませ製造された絵の具が、美術家の手によって作品となり、時代や人々の思いで芸術作品へと昇華する。そして経年という「時間」が最後にゆっくりと作品を仕上げていくのかもしれない。

 

 

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